「粒径50nmの金属ナノ粒子が完成しました」「一体それは何に使えるのでしょうか?」。 ナノ粒子業界に限らず、ナノテクノロジー全般において、後者の質問になかなか答えを見出せない研究者は多い。例えば、ナノ粒子業界で後者の質問を投げ掛けると、決まって帰ってくるのは「二次電池の電極、半導体の配線材料、磁性材料、化粧品、医薬品などのアプリケーションです」といった答えである。ひとつひとつを細かく分析してみると、ナノ粒子の採用事例は数多く存在するが、市場の爆発的な拡大までには至っていない。では、ナノ粒子業界はこのまま疲弊して、やがて衰退してしまうのか。筆者は、そのような不安は微塵も感じていない。今回取り上げる京都大学 国際融合創造センター 創造部門 助教授の小山宗孝氏は、金属ナノ粒子、中でも金ナノ粒子に着目して、ITO基板上に金ナノ粒子を固定化し、構造成長を行うことに成功している。小山氏が取り組む種核成長法と呼ばれる手法は、常温下で行う容易なプロセスであり、世界でもあまり例を見ない画期的なナノ粒子の固定化、構造成長を実現する。電極や磁性材料、ディスプレーなどのアプリケーションを想定している小山氏の研究から、進化するナノ粒子研究をご覧いただこう。